
失った歯をそのままにしていると、生活に不便なだけではなく、口腔内環境にさまざまな悪影響を及ぼします。たった1本の歯を失うことで、全体の歯並びが乱れてしまうこともあります。


失った歯と噛み合っていた歯が、伸びてくる
失った歯の両隣の歯が、空いた空間に傾いてくる
歯並びが乱れ、噛み合わせがガタガタにズレてくる

骨格バランスの乱れ→顎関節症や全身の不調
咀嚼障害が起こり、胃腸など消化器へ負担がかかる
きちんと歯みがきができないことから虫歯・歯周病のリスクが高まる
歯がない部分から息が漏れ、発音がきちんとできなくなる
よく噛めなくなり、脳への刺激が減る→痴呆のリスクが高まる

歯が抜けた部分が目立つ、もしくは、歯列全体が乱れて見た目が悪くなる
歯ぐきが痩せていくため、歯ぐきの位置が下がって見える
歯を失うことで顔の輪郭が歪んで見えることも→老化を感じさせる顔に
歯を失うことから考えられるリスクはこんなにも多くあります。このようなリスクを回避するために登場したのがインプラント治療です。

インプラント治療は、歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上から人工歯を被せて歯の本来の機能を取り戻す治療法です。人工歯根は顎の骨と強固に結合して天然歯の根の役割を担うため、本物の歯と同じような噛み心地を回復させることができます。また、人工歯の素材には天然歯と同様の審美性を持つセラミックを用いるため、自然な仕上がりが実現します。
インプラント治療では、顎の骨に人工歯根を埋め込む際に手術をともないます。顎の骨の周囲には、血管や神経が通っているために、通常の歯科治療と比べてより精密な診断が必要になります。当院ではこの診断をより正確に行うために先端機器を導入。正確な検査と間違いのない診断を行える万全の体制で、患者様に安心してインプラント手術に臨んでいただけるようにしています。
歯科用CT

正確な診断を行うために、2010年8月から歯科用CTを導入しています。CTで撮影した画像では、従来のレントゲンではわかりえなかった口腔内の状況を立体的に確認できます。歯や顎の骨の形状のみならず、血管や神経といった細部まで確認できるため、精度の高い診断が実現します。
iCAT

iCATナビゲーションシステムは、インプラントに特化した手術支援システムです。これまでドクター個人の経験や技術力に頼らざるをえなかったインプラント治療を正確なシミュレーションによって安全で確実なものに変えました。
撮影されたCT画像や研究用模型からインプラント手術専門のデータを作成することで、インプラントの埋入シミュレーションが行えます。これによって、もっとも安全な治療計画立案につながります。また、iCATは視覚的に状況を把握しやすいため、患者様への説明にも活用しています。

歯科用CTを活用し、口腔内環境を正確に把握します。その後、採取したデータをもとにiCATも活用し、お口の中の状況だけではなく、患者様の生活や身体にも無理のない治療計画を立案します。

歯肉を切開し、顎の骨にインプラントよりも小さめの穴を空けます。その穴にインプラントを埋入し、歯肉を被せて縫合して一次手術は終了です。通常、局所麻酔で手術は行えます。

インプラントと骨がしっかり結合するまで治癒期間を置きます。個人差がありますが、早ければ3ヶ月、長い方で6ヶ月程度の期間を要します。ここでしっかり骨とインプラントが結びつくことで、天然歯の歯根と同じような役割を果たします。

人工歯を取り付ける準備をします。局所麻酔で歯肉を切開し、先に埋め込んだインプラントと人工歯を結合するための「アバットメント」という接合部を取り付けます。再度、歯肉を縫合して二次手術は終了。この状態から、歯ぐきが治るまで1~6週間置きます。
※一度でこの段階まで行える手術方法もあります。

二次手術から歯肉が治ったことを確認できたら、歯型を採り、精巧な人工歯を作製します。その後、人工歯をインプラントにスクリューで固定します(セメントで固定する方法もあります)。最後に噛み合わせの調整をすれば完了です。

インプラントを長持ちさせるためにはメンテナンスが不可欠です。日頃からのセルフケアを丁寧に行うのはもちろん、定期健診を受け、インプラント特有の病気「インプラント周囲炎」にならないよう注意しましょう。
当院では、Camlogインプラントを採用しています。Camlogインプラントは、アバットメントとの結合をチューブで行っていることが特徴で、スクリューの緩みや破折といった2大トラブルを事実上解消しています。
インプラントオーバーデンチャー(インプラント義歯)

インプラントを活用して入れ歯を固定する方法です。顎の骨に2本分のインプラントを埋め込み、それを固定源として入れ歯を固定します。従来のものよりもしっかり噛める入れ歯が実現します。
All on 4(オールオンフォー)

上下の顎にそれぞれ4本のインプラントを埋め込み、総入れ歯を支える治療法です。動きにくい総入れ歯としての利点とともに、必要最小限のインプラントを埋め込むことで、骨や周辺組織に適度な刺激を与えつつ、義歯をしっかりと支える画期的な方法です。噛む刺激をインプラントを通して骨や周辺の細胞に伝えることで、顎の骨が痩せていくのを防ぎます。
※どなたでも4本が最適というわけではなく、骨の状態や噛む力など、一人ひとりの状況に合わせてインプラントの本数を検討します。
ミニインプラント
通常のインプラントよりも小さいインプラントを歯ぐきの上から埋め込み、入れ歯を支える方法です。歯ぐきを切開しないため、通常のインプラント治療と比べても手術のリスク、費用などの面で負担が少なくなっています。ただし、下顎の総入れ歯にのみ適用が限定されていることや、噛み合わせが安定していない場合は不向きなことがあります。
50代女性のケース

顎右7s番にカムログインプラントシステムを使用したインプラント治療例。
40代女性のケース

上顎右4番にカムログインプラントシステムを使用したインプラント治療例。
20代女性のケース

上顎右4番にカムログインプラントシステムを使用したインプラント治療例。











































インプラントは従来の歯を補う治療と比較しても、画期的に耐久性が高い治療法です。しかし、せっかくの治療もきちんとメンテナンスができなければ、再度失ってしまうことがあります。
インプラントは人工物です。天然の感覚に乏しい面があるため「インプラント周囲炎」という病気にかかりやすいのです。これは、通常の歯周病と同じように自覚症状が出にくいため、定期的に歯科医院でチェックしておく必要があります。人工歯を装着して終了ではなく、その後のメンテナンスを含めてインプラント治療だとお考えください。